Feb 18, 2015

暗い冬の雨の日に、また少し戻ってきてみる

というような次第です。

・・・
他にいい場所が見つかったら、また移動するかもしれませんが…。
だってやっぱり使いにくい気がするココログ。
表示もなぜか、ぐちゃっとなることがあるし。

先日、待ち合わせをしていて書店に入り、何気なく手に取った占いの本に
「人生の後半、生きる意味を考えるのは結構だが、あなたの場合は生きるということそれ自体が生きる意味である。それと自分のことを記録するのがよい」
というようなことが書いてあるのを読んでちょっとこころにぐっと来るものがありました。
それが、戻ってきた理由です。

Jun 21, 2014

劇団壱劇屋「UNKNOWN HOSPITAL」

HEP HALLで劇団壱劇屋「UNKNOWN HOSPITAL」マチネ公演を観てきました。

初めて観た劇団でした。ダンスパフォーマンスが売りの劇団らしいのですが、確かに完成度が高いなと思いました。黒い袋を引きずりながらのシークエンス、繰り返される時間、ことばの遊びも含めてとてもおもしろかったです。
ストーリーは、わかったようなわからないような感じでした。話の流れは途中かなりの部分を語りで説明してくれるので分かるのですが、ストーリーのキモ部分と思われる、なぜ院長がそこにいてそういう行動をとるのかが分かりにくかったです。全体的にみればおもしろい設定だし、薄気味悪くて奇妙な雰囲気はとても魅力的だと思ったので、いっそストーリーは骨の部分だけのもっと単純なものでもいいんじゃないのかと思いました。新井素子「あたしの中の…」をちょっと思い出しました。
終演後のパフォーマンスイベントがぐっだぐだで、みんなすごく楽しそうで、若い劇団っていいなーと思いました。

May 31, 2014

伊藤えん魔プロデュース「コロニー」

復活した近鉄アート館で伊藤えん魔プロデュース「コロニー」マチネを観てきました。近鉄アート館はあのあべのハルカスの近鉄百貨店内にあります。復活後のアート館はもちろん、あべのハルカスに行くのも初めてだったので楽しかったです。展望台は行列してました。

彼らはそこに生まれ落ち、目覚めた。やがて彼らは戦いを始める。彼らは強力で獲物はすぐいなくなった。「ただ冷静に狩れ」狩り場は広がり、動くもの、生きもの、全てを彼らは狩る。感情はほとんどない。欲望もなく狩り続ける。だが闘いより怒り、狩りより悲しみ、宿命より喜び。「失われた何か」を知ろうとする彼が現れる。
フライヤーにあったこの文章を読んで、正直「期待出来ない…」と思っていました。前作「チェス」にちょっと似ているし、目新しさが感じられないし…。実際に観たらとてもおもしろくて最近のえん魔プロの作品でも特に印象に残って好きな作品で、いい方に想像を裏切られたのでよかったです。ですが、この文章は「遠からずとも当たらず」って気がします。
強大な力をもつ女王に統治された王国の繁栄と滅亡の物語で、ただ戦い狩ることだけに生きる女戦士クオーツ、通常ひとりであるのに4人も生まれてきた王女たち、たったふたりの男であり王女たちの夫となるアイロンとプルート、戦いに破れ捕虜となったビリジアンたち、クオーツたちに攻め込まれるミツの国、そして戦士でありながら愛について考える異端者アビーの物語。
わりと最近に夫が貸してくれた百田尚樹「風の中のマリア」を読んでいましたので、舞台が始まるとすぐに「これはそういう世界のハナシなのか」とすぐに分かりました。そんな偶然がなくても普通に舞台を観ていれば武器や生活、捕虜たちの名前などから徐々にコロニーとは何なのか、彼らのおかれている世界がどういうものなのかが分かってくるように構成されていました。わたしは、説明が少なすぎるひとりよがりな作品はだめだと思うけれど、何もかも(特に台詞で直接)説明しすぎる作品はもっとだめだと思っています。この芝居はそのあたりのバランスがよくて観やすかったです。世界観も出来上がっているので物語に破綻がありません。「悪魔の石」というファンタジックな要素も、決してファンタジーではなく重要なアイテムとなるのは完成された世界観があるからだと思いました。
そしてそれが分かると、異様に見えていた彼らの行動、考え、そして行く末が高度に最適化された生存戦略のもとにあることが分かってきます。実際の彼らが何かを考えているかは分かりませんが、「生きる」ということが個々のいのちだけの話ではないという大きな物語が透けて見えてきます。そういう意味で、わたしにとってものがたりの中心はアビーではなく戦士クオーツであり、女王ダイヤであり、ミツの王女シルクだなあと思いながら観ていました。
えん魔プロにしては笑いの要素が少なめだったように思いましたが、突然出てくるヘンな勝負→ヘンなヅラをかぶる罰ゲームはありました。それ以外にも毛髪ネタが多くてハラハラしました…。

May 17, 2014

私の欲しいものリスト

私の欲しいものリスト
グレゴワール ドラクール
早川書房 ( 2014-02-07 )
ISBN: 9784152094407
フランスの地方都市で手芸店を営むジョスリーヌ。愛する夫と暮らし、友人たちとおしゃべりを楽しむ平凡ながら幸せな日々を送っている。 しかしある日、思いがけないことが起きる。気まぐれで買った宝くじが当選したのだ。ジョスリーヌは大金を前にして思い悩む。−私が本当に欲しいものはなんだろう?
…というようなあらすじが本の見返りに書いてあったのでわりと穏やかで心温まるストーリーを想像していたのだけれど、その想像は見事にハズレました。子どもはもう独立し、愛する夫との平和な暮らしとはいえ過去に辛い経験を抱えた48歳の主婦ジョスリーヌ。突然ふってわいた大金によって彼女が経験することになる運命はとてつもなく苦い。ジョスリーヌが文中で「選ばれた女」という本を読んでそれを「喪失についての本」だと語るように、この物語も「喪失について」の物語だと思いました。
この本を読みながら宝くじを買うのが少し怖くなりました。100万円ぐらいならどうということはないけれど、億単位のお金が入り込んでくるということは人生を大きく動かしてしまう(そう簡単に当たるものではないんですけれども…!)。ジョスリーヌの夫ジョーは確かに卑怯で弱い男だろうけれど、その大金が手の届く近さにあるのに自分のものではなく金に対する決定権がないということにより、心を乱されて翻弄されてしまったように思いました。彼の弱さはどこにでもあるし、彼はまったく悪人と言えるような人間ではないと思いました。
それにしてもフランス女性の平凡はやっぱり日本とは違う、かも…と思いました。
あとがきを読むまで女性作家の作品だと思ってました。それとこの作品は映画化されていて今年のはじめぐらいに公開されているとも書いてあったのですが、ググってみても映画の記事があまり出てきません。タイトルが変わっていたりするのでしょうか。

May 10, 2014

「ベルサイユのばら〜オスカル編〜」

ガーデンフィールズが閉園してはじめて行った宝塚大劇場、もう陸橋も取り壊されていてちょっとショックでした…。
大劇場で宙組公演「ベルサイユのばら〜オスカル編」を観てきました。宝塚のベルばらは以前テレビでちらっと観た記憶がある程度です。そのときに歌っていた「愛〜それは〜あまく〜」というような感じの曲が印象的でそれだけ覚えてました。原作本は何度も読んでます。隅々まで。小学生の頃クラスでめちゃくちゃ流行ってました。そして宝塚のベルばらは原作をもとにしつついろいろな切り口で「●●編」として上演されていることもいちおう知っていて行きました。
それでオスカル編、なのですが…文字通り「オスカル編」でした。マリー・アントワネットやフェルゼンは出てこないし、ストーリーはすべてオスカルを完全に中心にした部分のみで進んでいきます。歴史的な背景やオスカルの心理的葛藤などはていねいに描かれていてよかったですが、他の登場人物たちにまつわる部分は前提としてさらっと流されたり唐突に出てきたりするので、少しとまどいました。ロザリーは最初から人妻で、オスカルとロザリーの関係は既に出来上がったものとして話が進んでいきますし。やはり原作を読んでいてかつタカラヅカのベルばらがどういうものか知っている人に向けている部分がおおいにあるな、と思いました。
凰稀かなめさんのオスカルは非常に美しかったです。フライヤーの顔アップもいいのですが、脚がすらっと長いので全身写っている方が断然よいです。他の男役さんたちもみなステキでした。宙組は男役の組なのでしょうか。娘役トップの影がうすかった気がします。若手の見せ場があまり無いのも残念。特に歌はもっといろんな人の見せ場としてあればよかったのに…と思いました。見せ場といえばペガサス!あれはすごかったです。初めて観ました。あとで聞いたところによるとナポレオンが上演されたときも使われたとか…。想像していたよりは違和感無かったです。
ともあれ初ナマ「ベルばら」とても楽しかったです。人気演目で貸切も多いので観られないんじゃないかと思ったのですが、観られてよかったです。

May 04, 2014

高野山、来年は開創1200年

2015年の開創1200年を前に、高野山に行ってきました。初めてです。
途中の大渋滞(高速道路で通行止めをともなう大きな事故があったらしい)で思っていたより3時間ぐらい到着するのが遅くなってしまい、ほんとはもっといろいろ見て回りたかったのですがそこは諦めて、金剛峯寺と大伽藍だけ拝観しました。
金剛峯寺では襖絵などをゆっくり鑑賞。もっと近くで観たい…と思うものもありました。実際に触ったりすることができる展示がいくつもあってよかったです。お庭も綺麗でした。本坊茶の間では法具や法衣の展示があり、僧侶の方が説明してくださったり実際に音を鳴らしたり試着して写真を撮ったりできました。わたしも試着してみたかったのですがかなり混雑していたので勇気が出ず…着ている人たちは楽しそうでした。
1200年記念のマスコットキャラクター「こうやくん」がいたるところにいました。かわいいです。キャラクターグッズもいろいろ売ってました。石像こうやくんがかわいかったので写真を撮りました。着ぐるみにもあいたかった…!どこにいるんやろ…。
世界遺産にも登録されていて説明も今更…ですが、行ってみて素直に素晴らしいと思いました。美しい場所でした。来年はぜひもっとゆっくり滞在したいものです。

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