「王妃の離婚」
佐藤賢一「王妃の離婚」(集英社文庫)を読みました。
- 王妃の離婚 (集英社文庫)
- 発売元: 集英社
- 価格: ¥ 720
舞台は1948年フランス。フランス王ルイ12世が王妃ジャンヌに対して起こした離婚訴訟はフランス中の注目を集めていた。カルチェ・ラタンを追われた過去を持つ中年弁護士フランソワは、過去の因縁からこの醜いといわれる王妃が苦しむ様を傍聴していた。しかし裁判のあまりの不正に憤り、ついに王妃の弁護に立ち上がる…第121回直木賞受賞作。
大筋では弁護士フランソワが活躍する法廷サスペンスですが、その時代の風俗やキリスト教が定めた結婚の定義など、微細に渡り説明があり、その説明部分もとても面白かったです。わたしは歴史が苦手ですがだいじょうぶでした。フランソワの過去や権力抗争などがからみあってラスト近くまで裁判の行方が見えず、ハラハラしながら読みました。個人的にはラスト〜エピローグにはまったく不満がないわけではないですが…。
この物語のもう一つ重要な要素、それは「男女の繋がりとは、そして結婚とは」ということだと思います。最初は王妃が王との結婚になぜすがりついているのかと思っていたのですが、後半に哀しくも苦しい王妃の気持ちが少しずつ表れてきます。ルイ12世が法廷で言った言葉に強く反応したジャンヌの叫び。王妃ジャンヌの気持ちがすべて自分のことのように分かるというわけではなかったのですが、それでも彼女の心に強く共感できる部分はありました。すべてをさらけ出し、希望の見えるラストでよかったです。







